■ 記事No.03006 PWCギリシャ編6
<5月29日> トップ集団3人のみゴール セカンド集団以降は、最後の谷を抜けられずランディング。
※ランディング....着陸すること
■タスク (競技内容:通過すべきチェックポイントと順番)
ターンポイント名 標高 備考 ----------------------------------------------------------------- ・T07077 スタートライン設定ポイント 770m (飛び立つ所) ・L19016 69.8km 地点 ゴール 160m (着陸する所) -----------------------------------------------------------------
合計69.8km, min(競技成立最低距離)28km
※ターンポイント名の、前3文字は名前,後ろ3文字は 標高(×10m)を表しています。___は未計測。 スタートライン設定ポイントとは、以前、説明したように、 空中にスタートラインを作るのに必要な中心となるポイントで、 そのパイロンを通過する必要はありません。
※パイロン....通過地点。ラリーで言うならチェックポイント
<結果速報> 1 BEROD Patrick 17:47:13 1000 2 SPRUNGLI Vincent 17:49:25 997 3 BRUNN Martin 18:02:03 983
13 KATO Go 51.3km 714 29 KAWACHI MASATAKA 47.5km 661 31 TSUJI Tsuyoshi 47.2km 657 51 TADANO Shoichiro 5.3km 74 53 YAMASITA Shingo 5.2km 72 70 UJIYAMA Hiroshi 4.2km 70
<詳細レポート> 今日も朝からいい天気!! 皆、やる気満々。 テイクオフに上がると、1500m付近に強い逆転層が見える。 ム、ム、ム。渋いかも? 今日も北風の予報。
本来なら、南にあるイオアニア・ゴールを使いたい所だが、 今日は、軍隊が飛行場を使用しているらしく15km以内は、 進入禁止。テイクオフで準備している最中にも、戦闘機が 上空をマッハ・スピードで通過していきました。 テイクオフからすぐ北側に見える国(約10kmで国境)が 政情不安ということもあってその辺はかなりシビアな問題なのです。
さて、いよいよタスク発表! 南西方向に進み、 最後に大きな山を越える難しいタスク。 Window open 後、昨日と同様渋いコンディションの中を 死に物狂いで上げていきます。先日ほどでないにしろ、 1/3が降りてしまうという、厳しさ。
私は何とか生き残り、南に見える絶壁に渡り、トップアウト。 さて、どうしよう? 3人が飛び出し、グランドキャニオンへ! 20人はそのままステイ。スタート時間には、まだ早いし、 やっぱり、大勢の方がいいかな・・・と私もステイ。 本来なら多い方が有利なのだが、これが後で裏目に出ます。
※トップアウト....テイクオフした地点の高度より高く飛ぶこと。 上昇風などがないとなかなか難しい
スタート時間になっても、皆慎重でなかなか、駒を前に進めません。 セカンド集団は、ゆっくり移動するので、後から来た集団が加わり、 数が多くなるものの、スピードはいっこうにあがりません。
そうこうしている内に、問題のかなり狭い谷が近づいて来ます。 これがかなりの吹き抜けで、とてもじゃないが近寄れません。 かろうじてV字谷のリッジに機体をねじ込んだ5〜6機が、 距離を稼いだだけでした。数十機が谷の入り口にランディング。
ところが、ゴールした3機はいずれも、このV字谷を通っておらず、 一回南に20km下った後、2000m近くある山で、 2000以上上げ、一気に西に移動して山越をしたそうです。 かなりの遠回りですが、ゴールするにはその方法しかなかったの かもしれません。
<おまけ> テイクオフ前のウエイティングは、古今東西を問わず、暇を 持て余すものです。しかし、PWCにおいては、余興に事欠きません。 お決まりの人、そう!ラウール兄弟がスーパー・パフォーマンスを 見せてくれるからです。なまでお見せできないのが残念ですが、 そのワンシーンをプレゼントします。テイクオフ直後の フラット・スピンです。良い子は真似しないでネ!
<つづく>
※フラット・スピン...失速の一つで竹とんぼのように くるくると回ってしまう状態。
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<PWCのホームページ> http://www.pwca.org/ PWCの各大会のスケジュールや結果などが見れます。
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