■ 記事No.04007 PWCスイス編7
<6月 7日> 1点/2秒のハイ・スピード・レース 北西風のためテイクオフに移動。 今日もテクニカルなタスクが組まれ、60人近くゴール。
■タスク (競技内容:通過すべきチェックポイントと順番)
ターンポイント名 標高 備考 ----------------------------------------------------------------- ・TO 200 2000m (飛び立つ所) ・T03 164 24km 地点 ゴンドラ駅 1640m ・T09 187 11km 地点 家 1870m ・T01 102 13km 地点 アンテナ 1020m ・L40 073 4.4km 地点 ゴール 730m (着陸する所) -----------------------------------------------------------------
スタートライン20km,スタート時間12:30 合計52.5km, min(競技成立最低距離)30km
※ターンポイント名の、前3文字は名前,後ろ3文字は 標高(×10m)を表しています。___は未計測。 スタートライン20kmとは、最初のターンポイントから 20kmの所に、スタート時間が来るとカーテンができる ということです。つまり、スタート時間前に、カーテンを くぐってはいけません。
<結果速報> RANK NO NAME Time/Dis POINT 1 117 ANDRE Stephane F 13:57:59 1000 2 42 JENSEN Henrik DEN 13:58:53 966 3 58 ROSSEL Oliver D 13:59:21 949 4 43 BRINKEBY Peter SWE 14:00:03 924 5 6 CARON Jran Marc F 14:00:12 918 6 9 HENNY Luca CH 14:00:27 910
32 KAWACHI MASATAKA 14:11:40 628 41 KATO Go 14:13:41 593 59 MIYATA Ayumu 14:31:29 413 70 TANAKA Miyuki 14:40:29 371 77 YAMASITA Shingo 14:53:23 344 78 MIZUNUMA Noriko 14:59:14 329 85 OGISAWA Kaoru 50.6km 302 93 TADANO Shoichiro 46.8km 274 95 TSUJI Tsuyoshi 46.2km 275
<結果速報:総合成績> 15 KAWACHI MASATAKA 1524 18 KATO Go 1436
<詳細レポート> 昨日の雷雨が嘘のように、朝から良い天気!! (^o^)丿 しかし、気象予報では、北西の強い風が残るらしい。 そこで、オーガナイザーは、急遽テイクオフの場所の変更を決定し、 スタッフ、車の配車等をテキパキとこなす。 しかし、100人以上が一斉にテイクオフできる所が、 近所に幾つも存在するスイスは、やはり凄いし、 それを可能にするオーガナイザーの力量も凄い。 (*_*)
さて、自動車で45分ほど南に移動した所に、南西向のテイクオフが あった。お決まりの台詞だがとてもきれいな景色だ。
テイクオフがまた実に広い。あまりに広いので、選手達は場所を 決めかねて、ウロウロしている。わたしは、斜面を馬のごとく駆け上がり ブリーフィングの行なわれる掲示板の前に機体を広げた。
さあ、タスク発表!! う〜ん、今日もテクニカル。 タスク発表前からダミーが上げちぎっている。Window open後、 誰も躊躇する事無くテイクオフ。直ぐ横の大きな山(2500m前後)で、 雲底まで上げて、スタートラインまでGPSを見ながら、20kmを 切らないように、慎重に移動。私は、セカンド集団のトップで 移動、「みんなついて来い!!」
※ダミー....競技を開始する前に、オーガナイザー(競技の主催者)が、 コンディションを調べるためのパラグライダーを飛ばします。 これをダミーと言います
12:30ジャストに、百数十機が一斉にスタート、豪快だ!! トップ集団が最初のサーマルを見つけ、瞬く間に雲底へ。 それに続くセカンド集団。今日はかなりのハイスピード・レースで 片時も気が抜けない。Simmentalの村から、随分離れたところから テイクオフしたはずなのに、もうその谷に到着してしまった。 トップ集団はT03に向けて、早くも谷渡りを始め、 二手に分裂する。そして、左側コースのグループが裏目に出る。
少し引き離された、セカンド集団も左右に分裂するが、 全体的に右よりのコース。ここで、川地は右手の下方から、 もの凄い勢いで上がってくる機体を発見し、突撃!! まさに昇竜のごとき上がりで、一気に雲底へ!! クラウド・ストリート(雲の道)は、大きく右から湾曲するように なんとT03に向かっていた。しかも、直ぐ左のクラウド・ストリート よりも、一段雲底が高い。
なんと、スタートを切ってから僅か2サーマルで、 24km先のT03に、到達してしまった。 T03上空からは、インターラーケンが見えた。
(実は、私の身に危険が迫っており、 こんな所で、写真を撮っている場合ではなかったのだ。)
※サーマル ....太陽の力によって暖められ発生する上昇風のこと。 この風を使ってパラグライダーは上昇します。
トップ集団はもう目と鼻の先、しかも私の方が高い。 しめた、一気に抜いてやると、思ったのも束の間。 もの凄い下降気流に捕まり、それまでのアドバンテージを 一気に吐き出してしまった。まるで、ジェットコースターに 乗っているようだ。そう、Simmentalのいつものテイクオフ付近は、 初日のように、もの凄い吹き下ろしが、始まったのだ。
つまり、私達が飛んでいるのは、バリバリのリーサイドなのだ。 上がりも凄いが下りも凄い。荒れ狂う機体を巧みに操り、 ゴールに向かう選手達の脳裏には、墜落したギャザー選手のことが 浮かんだに違いない。しかし、そこは流石、百戦錬磨のPWCパイロット、 誰一人脱落者を出す事無く、ゴールに到達。 川地も何とか難関を乗り切り、32番目にゴール!!
※リーサイド....風が当たらない側、物陰。 通常は、山の風が当たっている側に上昇気流が発生し、 反対側は、丁度鳴門の渦のような乱気流が発生します。 しかし、時として、反対側にも上昇気流が発生します
レースの終盤は、当たりくじ(上昇気流)を引いた順が、 ゴール順位になった様な形となった。それにしても、50km近く飛んで 1秒差に付き2点の得点が付くという、超ハイ・スピード・レースでした。
<PWCのホームページ> http://www.pwca.org/ PWCの各大会のスケジュールや結果などが見れます。 結果は、私のレポートより早くアップされる時があります。
<つづく>
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