■ 記事No.07006 PWCフランス編6
<7月 20日> 雨天のため中止。
<7月 21日> 最終日。フランス勢、圧倒的強さ! 最初のパイロンB23が鬼門。脱落者続出!! 川地は、ゴールできない病?
■タスク (競技内容:通過すべきチェックポイントと順番)
ターンポイント名 標高 備考 ----------------------------------------------------------------- ・D07 163 TO1 1630m (飛び立つ所) ・B23 201 9.7km 地点 池 2010m ・B07 125 22km 地点 家 1250m ・B55 186 24km 地点 リフト降場 1860m ・B29 125 12km 地点 ケーブル乗場 1250m ・A01 110 2.6km 地点 ゴール 1100m (着陸する所) -----------------------------------------------------------------
Window Open 13:30 Start time 13:50, Start line 4km, 合計69.2km, min(競技成立最低距離)30km
※ターンポイント名の、前3文字は名前,後ろ3文字は 標高(×10m)を表しています。___は未計測。 スタートライン4kmとは、最初のターンポイントから 4kmの所がスタートラインという事です。 スタートタイムがくるとカーテンができると思ってください。 つまり、スタートタイムが来たら、このカーテンをくぐればいいのです。
<結果速報> RANK NO NAME Time/Dis POINT 1 14 BEROD Patrick FRA 17:10:40 1000 2 7 VON KANEL Peter CHE 13:50 981 3 22 BOULLEN Yvan FRA 14:02 980 4 6 CARON Jean Marc FRA 14:35 977 5 117 ANDRE Stephane 15:07 973 6 32 OGISAWA Kaoru JAP 15:49 969
30 40 TADANO Shoichiro 64.0km 699 31 30 KAWACHI MASATAKA 63.7km 696 41 41 KATO Go 60.4km 660 65 231 KAMIYAMA Kazuko 9.1km 99 82 110 YAMASHITA Shingo 8.9km 97 82 15 TSUJI Tsuyoshi 8.9km 97 87 226 KAWAGUTI Ryuta 8.5km 93
<結果速報 総合> 1 7 VON KANEL Peter CHE 2833 2 5 ARNOLD MARCO-ANT FRA 2700 3 6 CARON Jean Marc FRA 2676 4 14 BEROD Patrick FRA 2665 5 12 HOPER Alex CHE 2628 6 22 BOULLEN Yvan FRA 2478
17 41 KATO Go 2174 30 30 KAWACHI MASATAKA 1914 41 32 OGISAWA Kaoru 1719 54 15 TSUJI Tsuyoshi 1516 58 40 TADANO Shoichiro 1464 59 226 KAWAGUTI Ryuta 1433 67 110 YAMASHITA Shingo 1296 93 231 KAMIYAMA Kazuko 693
<詳細レポート> 雲ひとつない最高の天気。やる気がフツフツと沸いてくる青空です。 ヘッドクオーター(大会本部)に行くと、なにやらいつもと違う雰囲気が 漂ってくる。なんだ、なんだ? あれっ! タスクボードにもうタスクが書き込まれている!? なにっ!! “100kmタスク!?予定” と書かれている。 おいおい、そんなに今日のコンディションは良いのか?
今時、“100kmタスクなんて珍しくない”と思われた方、 あなたは、アルプスを何も知らない!! (・o・)/
フラットランド(平地)のスペインなどで行なわれる、俗に言うXCタスク (クロスカントリー・タスク)は、一方方向に飛んでいくタスクで、 殆どの場所でフォロー(追い風)が吹くため、“大きな場の風”を 読む力が要求されます。
それに引き換え、アルパイン(山岳)のフランス・スイスでは、 殆どのタスクがアウト&リターン(出て行って帰ってくる)です。 その上、大陸風(山脈の上を吹く風)とバレー風(谷間を吹く風)が、 複雑に絡み合っています。したがって、“大きな場の風”プラス “局地的な風”を読む力が要求されます。
ですから、同じ距離でも、難易度はアルプスの方が高いのです。 もし、単に距離だけで、難易度を比較するのであれば、 距離を1.5倍ほどすれば、良いといえます。 つまり、今日のタスクは、スペインで言えば150kmタスクに相当します。
チョット、話がそれましたが、そんな理由で、 集まったパイロットがどよめいていたのでした。 コースは? ゲゲッ! 無茶苦茶難しいいぞ! なんと、このLa Clusazを中心にしたアラビス山脈に 8の字を描くようになコースを、飛ぶのです。
皆、急いでテイクオフに向います。
しかし!!
テイクオフから見た光景(眼下に強固な逆転層があった)は、 このタスクが実現不可能である事を物語っていました。 オーガナイザーは、急遽タスク変更を発表。(流石すばやい) 新たなタスクは、トライアングル・コースだった。
さっきよりは、簡単になったかな? (^_^;)
上がらずに、ぶっ飛んでいくダミーのパラグライダーを無視するかのように、 オーガナイザーは、Window Open! しかも、Start timeまで僅か20分しかない!
※ダミー....競技を開始する前に、オーガナイザー(競技の主催者)が、 コンディションを調べるためのパラグライダーを飛ばします。 これをダミーと言います
やはり、上がらずもだえ苦しむ選手達。殆どの選手は、 スタート時間にスタートラインに到達する事は出来ませんでした。 そして、今日最大の難関だったと言っていい、B23パイロン(池)が待ち受けます。 なんと、標高2010m!(この時の雲底高度は、2200m位です) そう、この池は、山頂近くにあるのです。 この池を見ることすら出来ずに、大勢のパイロットが谷底に消えていきました。
その後、トップ集団(殆どがフランス人)は、地の利を生かし、 飛ばしに飛ばし、あっという間にゴールに駆け込みました。 セカンド集団は、B07,B55に無難に駒を進め、 スローペースでゴールしました。その差、1時間!
川地は、B55を通過した後、岩壁であと10m上げる事ができず、 そのままステイ。ゴール・クローズ時間が近付き、仕方なくファイナルグライド。 ゴール手前6km程にランディング。ゴールが遠い。 (>_<) (10m上にいたカスパー選手は上がって、ゴールしました。 競技では、こういうことが時々あります。)
※ファイナルグライド....ゴールに向って真っ直ぐ飛ぶ事。 自動車レースならラスト1周に当たります。
※ランディング....着陸すること
<つづく>
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<PWCのホームページ> http://www.pwca.org/ PWCの各大会のスケジュールや結果などが見れます。
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