パラグライダー世界選手権 & PWC レポート

 □ 検索  □ 川地選手の紹介1  □ 川地選手の紹介2 

トピック内容表示

 ■ 記事No.10005 日本選手権編5

    <10月20日(土)> 川地、トップゴール!
    2日目は壮絶なサバイバル・ゲーム。
    川地は総合1位に! 2位西ケ谷選手との差は僅か41点

    ■タスク (競技内容:通過すべきチェックポイントと順番)

     ターンポイント名         備考
     -----------------------------------------------------------------
     ・TO  TO            (飛び立つ所)
     ・D   1.4km 地点 アンテナ
     ・B   0.8km 地点 プール
     ・TO  1.7km 地点 テイクオフ
     ・J   2.7km 地点 アンテナ
     ・I   6.6km 地点 アンテナ
     ・J   6.6km 地点 アンテナ
     ・G2   11km 地点 ゴール    (着陸する所)
     -----------------------------------------------------------------

    Window Open 11:30
    Start time 12:30 Start point B
    合計30.6km, min(競技成立最低距離)9.2km

    RANK NO NAME      Time/Dis POINT
      1 12 川地 正孝   02:27:20 1000
      3 01 扇澤 郁    02:59:44 951
      2 15 西ヶ谷 一志  03:02:10 949
      4 18 後藤 雄太   30.6km  892
      5 27 宮田 歩    29.5km  860
      6 26 星 利彦    28.3km  825

    <詳細レポート> 『壮絶 前編』
    二本成立すれば、日本選手権として成立した事になります。

    今日も良い天気だ! (^o^)丿
    ということは、成立確率90%以上!!
    俄然、大会は熱気を帯びてきました。

    テイクオフに上がると、既に、ダミーのパラグライダーが
    次々とテイクオフしています。まだ、高度は稼げないものの
    高く上がれるようになるのは時間の問題。

    オーガナイザーはタスクを決めるために、
    すぐに関係者を召集します。そして、タスク発表!
    選手達は待ちわびたといった表情で、ボードの前に集まっています。

    そして、いよいよ時間がきて、2日目のWindow Openします。
    が、しかし、これまで順調に上昇していたダミーの機体の上がりが、
    急にしょぼくなってしまいます。上昇気流が豊富なために
    雲が多くなり過ぎ、その結果、日陰が増えてしまったのです。
    さらに、元から弱かった正面からの風が更に弱くなり、
    時々、後ろから吹くようにさえなってしまったのです。

     ※ダミー....競技を開始する前に、オーガナイザー(競技の主催者)が、
             コンディションを調べるためのパラグライダーを飛ばします。
             これをダミーと言います

    なにか、嫌な予感!?
    その予感は、当たっていました。
    そう、この現象は、今日これから始まる、壮絶なバトルの
    ほんの序章にしか過ぎなかったのです。

    多少の困難でも、次々とテイクオフしていく選手たち、
    再び晴れ間が広がり、上昇気流が発生し、
    雲底近くまで上げて、スタートを待ちます。
    その数が約50機ほどになり、スタートまで“あと10分”と
    なったとき、再び雲が発達し、日陰があたりを覆いはじめます。
    テイクオフは、フォローの風が吹き、残りの選手は立ち往生。
    上空では、僅かな上昇気流を追い求める選手、
    下降気流から逃れようと逃げ惑う選手で大混乱。


    日さえ当たっていれば、上昇気流がでる事はわかっているので、
    選手は皆、日当を求めて放浪の旅に出て行きます。
    大集団は、南と北に大きく分裂します。
    人数の多いグループ(川地 含)は、南に向います。
    南の方は日が当たっていて、確かに上がりそうですが、
    何せ遠い!! その上、スタート・パイロンとは全く反対方向。

     ※パイロン....通過地点。ラリーで言うならチェックポイント

    本日のゴールがすぐそばにあります。
    なんでスタートも切っていないのに、ゴールせにゃならんのだ!!
    (実際に、ゴールに降ろしてしまった選手もいました)

    低くなって力尽き、ランディングする選手が出始めます!!

     ※ランディング....着陸すること / 着陸場所

    もし、選手全員にTVカメラを取り付けていたら、
    全てのモニターに、選手の必死の形相が写し出された事でしょう。
    スタート時間はとうの昔に過ぎていますが、スタートを切る
    どころではありません。一人、また一人と減っていきます。

    たった30kmのタスクが100kmに感じられます。
    「今日は成立しないかも?」子悪魔が頭の中で囁きます。
    いやいや! そんな事は無い!!
    何としても生き延び、ゴールしてやるぞ!

    その時点での、グループ総勢 約20名。
    現在12:50、スタートしてから20分が経過。
    スタートパイロンまでの距離は5km以上。
    テイクオフ周辺には、雲の陰に覆われ、
    未だ一筋の光明すら見出せず・・・。

    <つづく>

[ 戻る ]

 

- Child Forum -